青い薔薇〈第一章〉

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黒主学園を取り囲むこのまがまがしい空気・・・
元凶は隣にいる支葵―――
の仮面を被った玖蘭李土様

ねぇ、枢・・・
他に道はないか―――
君がそれを探るのを諦めたのは、いつからだった?
あの頃のような笑顔を見せてくれる日は―――
もう来ないのだろうか・・・



――――――
――――
――



「不服そうだな、一条・・・。枢を裏切ったこと?それとも千里の身体が人質になってることか?」


そう言って支葵の首に爪を立てる李土様を


「やめて、くださいっ!」


僕はこんな風に注意を促すことしかできない
なんて無力なんだろう・・・


「一条、お前が本当に気に入らないことは・・・」


“俺が皐月を手に入れようとしていることか?”
不敵な笑みを見せる李土様に返す言葉が見つからなかった
それはきっと事実、だから・・・
李土様の狙いは皐月さん?


「でも、彼女は人間で・・・」


純血種じゃない彼女に李土様はどうしてこだわるのか
口を開けないでいると、


「皐月だけだった。俺を見てくれたのは・・・」


僕には李土様が
とても脆く見えた・・・
この方はきっと愛し方を―――知らないんだ・・・

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