青い薔薇〈第一章〉
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優姫じゃなくて私を狙っているのなら・・・
私は自分から伯父様の前に―――姿を現した
そんな私の行動に驚いた拓麻君が私を引き寄せて私は彼の腕の中に・・・
「皐月、久しぶり―――」
私の声はきっと震えている
身体だって震えているー――
「千里・・・先、輩!??」
違う―――
この人は、
「李土、伯父・・・様・・・」
「あっ、わかっちゃった?それはとっても嬉しいよ」
見た目は千里先輩なのに・・・
この人が見せる微笑みは身体を震撼させる
千里先輩はもっと優しくて・・・
「あなたは、何を・・・しに来たのですか?」
聞かなくても―――
本当はわかっているのに・・・
それでも確認する私は
「皐月を・・・迎えに来た」
その言葉を―――聞きたくなかったから
「・・・そう、ですか」
でも聞いてしまった言葉を否定するほどの力はなくて
受け入れるしかない
覚悟を決めて口を開こうとしたときに聞こえてきたのは
「李土様!!」
拓麻君の牽制するような声・・・
(だめ、拓麻君は玖蘭の争いに巻き込まれないで?)