青い薔薇〈第一章〉
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窓から部屋に入ると―――
彼女は自分の身体を抱えていた
何かに脅えていて・・・
僕は思わず抱き締めた
そんな僕の腕の中で、
「ずっと・・・聞きたかったことがあります」
一筋の涙を流す優姫をさらに強く抱き締めた
「どうして私といるときは・・・悲しそうな顔するんですか?」
僕は―――
みんながいなくなった世界に1人残って・・・
ずっと姉さんと両親の変わりに優姫を見続けてきたんだ
優姫を見ていると姉さんを思わずにはいられない
僕の愛する皐月を―――
《バンっ》
扉から勢いよく入ってきたのは錐生君と彼に抱えられた姉さん
いいよ、それも今日で最後だろ?
優姫が吸血鬼で皐月の妹だとわかれば・・・きっと錐生君は距離を置くから
たとえ姉さんがそれを望まなくても―――
優姫を抱き上げて窓から出ようとした僕に聞こえたのは
「お前は・・・優姫を、どうするつもりなんだ」
錐生君の問い掛け
優姫を、吸血鬼に戻すよ・・・
「君は、裏切れない―――」
姉さんや優姫が李土に狙われてると知ったらきっと・・・