青い薔薇〈第一章〉

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零は皐月や黒主理事長が止めるのも聞かず・・・
玖蘭枢に連れられた黒主優姫のことを追い掛けた
彼女は純血種の吸血鬼・・・
零はまだ知らないから―――
全てを知る皐月は悲痛な面持ちで俯いていた
俺は思わず彼女を抱き締めた
また一人で全てを抱え込んで泣いてるのかと・・・思ったから
零のことをお願いしたらさらに不安な顔をして、俺に問い掛けた
“変なこと、考えてないよね?”
―――その通りだよ
なんて言ったら俺のことも心配してくれる?
優しい皐月のことだからきっとしてくれるね・・・
でも俺は、
皐月のそんな顔が見たいわけじゃないんだ
“考えすぎ”そう言って俺の顔を見せないためにもう一度抱き締めた
皐月の顔を見てたら別れが悲しくなるから―――
また三人で花見がしたいという彼女に俺は、


「付き合って―――やるよ」


守れない約束をしてしまった
小指を立てて・・・
絡めたかと思うと、
皐月は歌い始めた

“うそついたら針千本の〜ます”

幼い頃と同じ笑顔を見せる彼女が愛しくて・・・
本当はもっと一緒にいたかった

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