青い薔薇〈第一章〉
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俺が彼女を見つけたとき―――
皐月の身体中から怒りが溢れだしていた
いつも明るく元気で笑顔を絶やさない皐月のこんなにも怒りに満ちた表情は―――初めて見た気がする
爪が皮膚に食い込むくらいの強い握りこぶしを作っている彼女
怒りで震える手にそっと触れた
「守りたいものが、増えました。玖蘭皐月様・・・」
自分を捨てて他人を守るのはもうやめにしてください
周りのみんながどれだけ貴女を大切に想っているか気付いてください
俺等もちゃんと守ります・・・
学園の外に待ち構えている“敵”から貴女を―――
彼女が走り去ったあと、
「暁・・・目を離してはいけないのは皐月かもしれない」
英の言葉が心に重くのしかかる
「そう―――だな、」
彼女は目を離せばすぐ
どこかへ行ってしまいそうで・・・