青い薔薇〈第一章〉

□31+++
1ページ/1ページ

壱縷の身体から牙を抜いたとき彼女が俺の前に現われた

皐月―――
こんな血で塗れた俺の腕で彼女を抱き締めることは、
許されないかもしれない・・・
でもそっと俺を抱き締めてくれる皐月を離したくなくて
きつくきつく抱き締めた


「皐月は俺が・・・守る―――」


玖蘭枢になんか渡さない!
まるで俺の気持ちに応えるかのように・・・
抱き締め返してくれた彼女に俺はキスをした
そして―――


《トンっ!!》


彼女を眠らせた―――


「お前は安全な場所にいろ、」


そう呟いて・・・
気を失って倒れかかってきた皐月を抱き上げた
向かう場所は―――皐月にとって安全な場所・・・



――――――
――――
――



「どうして錐生が・・・」


驚きを見せる架院暁に、俺は彼女をお願いした


「ここには皐月を守ろうとするヤツが何人もいる・・・」


俺が“王”とやらを倒したら
また迎えに来るから・・・
必ず―――
だから今はここにいろ・・・

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ