青い薔薇〈第一章〉

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家の前で武器のメンテナンスをしていたあの日・・・
竜巻が現れたかと思うとその中から何かがゆっくりと落ちてきた
柄にもなく“天使か・・・?”
そう思ったことは今考えると馬鹿馬鹿しい
(連日仕事で疲れてたんだ、俺)
何かに守られるようにゆっくりと空から降りてきた存在が誰だかわかるのに時間は必要なかった


「玖蘭・・・皐月?」


吸血鬼の中でも一握りの純血種
どうして彼女がここにいるのか?
どうして目を覚まさないのか?
もちろん答えが出るわけもない
それに彼女から吸血鬼の気配がほとんど感じられない・・・
(俺の感覚が壊れたか?)
放っておくわけにもいかず、ひとまず家にあげることにした


「チッ」


吸血鬼を医者に見せるわけにもいかず俺ができることは何もない
外傷は見当たらずただ眠る彼女
いつ目を覚ますのだろうか?
その日からスタートした奇妙な同居生活
気付けば俺は遠方の仕事を断るようになっていた
(・・・ありえねー)

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