青い薔薇〈第一章〉

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大切な人達がいなくなったあの日
二度と戻らない幸せな時間
(姉さん・・・)



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朝から嫌な空気だ
アイツがやってくるのだろう・・・
僕は姉さんと優姫をなんとしても守らなければならない
握り拳1つ作って優姫の部屋に向かっていた

先にそこにいた父様や母様
聞こえる2人のいつもと違う声色
アイツのせいだと憎しみを覚えた


「樹里・・・決めたのかい?」

「えぇ、優姫ならまだ小さいから順応できると思う」


会話から想像できるのは吸血鬼因子を眠らせようとしていること
忘れられることは悲しいけど・・・優姫が笑顔ならいいと思う
僕が部屋に入ると同時に嵐のように騒がしく姉さんが入ってきた


「お父様!お母様!李土伯父様と元老院が・・・」

「枢、悪いけど少しだけ手伝ってくれるかい?」

「はい、父様・・・」

「枢もお父様も気を付けて・・・」

「姉さん、大丈夫だよ」


交わした最後の言葉―――
まさか姉さんが術式を施すなんて思ってもなかった・・・

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