青い薔薇〈第一章〉
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「これ以上は前に進まないでくださーい!!」
殺気だった女の子の大群の中、健気に頑張る妹の優姫・・・
どうやら相方の零はサボることが多いらしい
(守護係ってこの人達の警備?)
私―――無理かも
こんな勢いの女の子・・・全く止められる気がしない
来週からの下見に・・・と思って来てみたものの
軽い気持ちで引き受けてしまったことを早くも後悔し始めていた
少し離れたここでも聞こえてくる女の子の黄色い声・・・
(夜間部まだ出てきてないのに)
彼らが登場したらどうなるのか?考えるだけで眩暈がした
「はぁぁ・・・」
そして思わず出たため息
そんな私の頭を優しく撫でたのはいつからそこにいたのか零だった
「優姫・・・大変そうだよ」
「あぁ、いつもこんな感じだ」
「今日が特別じゃないんだ」
「日常茶飯事だな」
この騒ぎが学園の日常・・・
来週のショコラトルデーとやらが恐ろしくて思わず身震いした
「昨日・・・言い掛けた言葉あとで教えろよ?」
そう言い残して零は女の子の大群の中へ走りだした