青い薔薇〈第一章〉
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いつか言わなければいけない・・・そう思いながらも先伸ばしにし続けてここまできてしまった
言えば零が私に笑顔を向けてくれなくなる、今までの関係が続けられないと思うと・・・
涙ぐんだ目を見られないため近くの木にもたれてしゃがみこんだ
顔を埋めていたせいでよくわからないけど、女の子の声が一際大きくなったことを考えると彼らが登場したのだろう
顔を上げる気にもなれなくて、今の私は夜間部のことより零のことで頭がパンクしそうだった
だから―――
誰かが私に近づいてきたことにも気付けなかった
(今日は守護係の見学だし・・・もう寮に戻ろう)
立ち上がって歩きだした私の腕が
《グイっ》
(えっ?)
勢いよく掴まれた
相手は白い制服を着る男の子
(あっ、拓麻君・・・)
溢れ落ちる涙を見られたくない私は俯いていた
「皐月さん―――だよね?」