青い薔薇〈第一章〉

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まだ両親が生きていた頃
“バケモノ”“悪いヤツ”“冷酷非道”
それが俺が持ってる吸血鬼の情報だった
幼い俺はそうだと信じ込んでいた


「零!今日は壱縷を病院に連れて行ってくるわね」

「わかった」


双子の壱縷は体が弱い
俺が体内で壱縷の力の半分を奪ってしまったせいで・・・


「留守番しとくー」

「今日は留守番じゃなくてお父さんについて行ってね?病院の時間がちょっとわからないし・・・ちゃんと言うこときくのよ?」

「わかってる」


2人が出て行くのを見送ってソファーに寝転んだ
(父さんについて行くのかぁ・・・)
父さんは確か吸血鬼の夜会に行くと言っていたはず・・・
あんなバケモノの巣に入って行かなきゃならない仕事なんて嫌だな
そもそも吸血鬼が“元人間の吸血鬼”なんて作りださなければ・・・
人間は幸せなままだったんだ!
そう考えれば考えるほど吸血鬼への嫌悪感は増していく・・・

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