青い薔薇〈第一章〉

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やっと見つけた・・・
僕の愛する人
皐月―――
早く僕のそばに戻ってきて・・・



――――――
――――
――



藍堂のおかげで会えた人
“皐月”と呼ばれた彼女は間違いなく姉さんだ
僕が愛するただ1人の女性
まさかこんな場所で再会できるなんて思ってもいなかった
優姫への術式の反動で吸血鬼の能力がなくなったんだね
能力がなくても姉さんは姉さん、僕の愛する人―――
彼女は僕に正体を告げることなく錐生君と去っていった
そして抱き合う2人を見つけた
(どうしてあんなヤツと・・・)


「枢、怖い顔だね。大丈夫?」

「あぁ、ちょっとイヤな場面を見ちゃってね。ほんと虫酸が走る」


《ギィィィィ》


いつものように扉が開いて僕達は校舎へと向かう


「さぁ、行こうか・・・」


黄色い声援も気にせずひたすら足を前へ進める・・・
そんな中、少し離れた場所に座り込む女の子を見つけた
(姉さん・・・泣いている?)
優しい姉さんは誰にも気付かれないように顔を埋めて涙を流す
昔から変わらない―――
今すぐ飛んでいきたい・・・

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