青い薔薇〈第一章〉

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僅かに血の匂いを感じた
それに反応するかのように教室を出た藍堂、そのあとを追う架院
余計な問題はくれぐれも起こさないでもらわなければ・・・
しばらくすると優姫の血の香りも漂ってきた・・・
(優姫はおてんばだね)
彼女が知らなくても僕は父親代わりみたいなものだから・・・
あまり乗り気ではないものの仕方なく僕は廊下に出た
そこでまた・・・見たくないものを見てしまった
向こう側の校舎で錐生君と姉さんが親しそうに会話するところ・・・
彼が去ったあとの姉さんはとても優しい表情をしていて―――
少なくとも僕にそんな顔を見せてくれたことはない


「本当に酷い人だよ・・・」


彼女は窓に足をかけて飛び降りようとするもののやっぱりできなかったようで頭を左右に振ったあと階段に向かって走りだした
(クスっ・・・かわいい)
僕は気付けば優姫ではなく姉さんがいる方に足を向けていた
今から行っても追い付ける自信があったから・・・
(姉さんは極度の運動音痴・・・)

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