青い薔薇〈第一章〉

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夜間部がいなくなると当たり前のように女子生徒はいなくなっていた
さっきまでの黄色い声援はなくなって・・・響くのは不気味な夜の声
昼と夜の違う雰囲気に少しだけ怖くなる
そんな中―――
簡単にごみ拾いを終えた私達は校舎の中に足を踏み入れた
(今日はさすがに疲れた・・・)


「ねぇ、優姫!零っていつもどこでサボってるの?」

「寮で寝てるかも。零ってば最近サボる回数が増えてるの!こっちは大変なんだから!皐月からも怒ってね?」

「う、うん・・・」


途中から姿を見せない零に私はなんだか胸騒ぎを感じていた
サボる回数が増えてる―――
彼はきっと辛い吸血衝動を自分自身で抑えつけてるんだ
誰にも気付かれないように・・・
零はいつも自分のことはギリギリまで無理をする
(人には優しいくせに!)


「ちょっと零を起こしてくるから見回り頼んでもいい?」

「零に手加減は必要ないからね?金づちくらい持っていく?」

「えっ・・・だ、大丈夫だと思う」


(優姫はいつも零をどうやって起してるの?)
私は金づちを持たず零の部屋へ向かうことにした

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