青い薔薇〈第一章〉
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夜間部の生徒が校舎に入り終えるこの時間、少し気が抜ける
「今日もすごい人だったね」
毎日頑張る女の子達は凄いと思う
夜間部は容姿端麗だけど全員がヴァンパイア・・・頼ちゃんみたいに恐いと思わないのだろうか?
「皐月が入ってくれてすごく楽になった!零は最近サボり気味だし」
「今は来てんだからいいだろ?」
零が来れない理由を知ってる私はなんとも言えない気持ちだった
このあとは校舎の見回り・・・
今の零と優姫を絶対2人きりにしてはいけない
万が一、優姫を吸血してしまったら・・・考えただけで恐ろしい
(零が八つ裂きにされる!避けるためにも別行動してもらわなきゃ)
でも、零の想いを考えると・・・私と2人で行動するってアウトだよね?
どうすればいいのか途方に暮れていると
「私、理事長に呼ばれてるから先に見回りしててね」
優姫はそう言って走り去った
(あ、解決だ・・・よかった)
浮上した気分で隣を見ればいつも以上に顔色の悪い零
なんて声をかけていいのか―――思いつかなかった
「零・・・、見回りいこっか?」