青い薔薇〈第一章〉

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枢が去ったあと理事長さんがテキパキ傷の手当てをしてくれた


《ペタン》


「これで、よし・・・」

「ありがとうございます・・・」


(零・・・大丈夫かな?)
そんな私の気持ちを汲んだのか


「零は優姫が寮まで連れて行ったよ。落ち着いてるしもう大丈夫」


零の様子を教えてくれた
(大丈夫ならよかった)


「優姫、は・・・?」

「彼女も大丈夫!ちゃんと受け止めてる。今は零の傍にいたいそうだよ」


ちゃんと受け止めた上で零の傍にいたいという優姫・・・
よかった―――
(枢の機嫌が恐ろしいけど・・・)
っていうか、私これから尋問!?
(ど、どどど、どうしよ!?)
ベッドの中でうろたえていると


「玖蘭皐月ちゃん!」


理事長さんに呼びかけられた
私は大きく深呼吸して声をあげた


「は・・・はい」

「いつから人間になったの?」


枢が気付いてしまってる以上もう隠す必要もない
それに・・・
理事長さんは大切な妹をここまで育ててくれた人だから―――
私は全てのことを話す決心をして静かに口を開いた

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