青い薔薇〈第一章〉

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夜間部への編入はなんとか阻止できた
使いたくなかった奥の手でようやく納得してくれた枢
“優姫を守るために・・・”
その言葉に嘘はない
でも続きは声に出さなかった
“零のサポートもしたい”
サポートなんておこがましい?
私にできることなんて何もないんだから・・・
それでも、
優姫や零のために何かしたい!
そう思う姉の気持ちを消し去ることはできなかった
(零は今日も遅刻?それとも、まさか変な気でも・・・!?)
考えを払拭するように立ち上がった私と同時に教室から勢いよく飛び出す優姫の姿が瞳の端に映った
(もしかして、零のところ?)
それなら・・・私は行かないほうがいいよね
優姫に任せれば全てうまくいく
零のことを止めてくれるはず
それに私がいくよりも零はきっと元気づけられる・・・
枢だって零だって―――優姫をとても大切に想ってる
私だってそれは同じ・・・
わかってるのに、胸の奥が締め付けられる


《ガタッ》


自分の醜い考えを捨て去りたくて私は勢いよく教室を飛び出した

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