青い薔薇〈第一章〉
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「ォィ!オイ・・・皐月!!」
いい気持ちで寝てたのに―――
誰かに起こされてる気がする・・・
(誰―――?)
重たい瞼を少しずつ開けると
「んー、零?」
目の前にいたのは今日、私が寝不足になった原因の男の子
「俺も寝不足。ここ座るな」
「ダメ、ここ私の特等席・・・」
私の了承を得ることなく零は隣に腰を下ろした
(結局、勝手に座るなら最初から起こさないでよ)
「零ってばサボり?ダメだよ!理事長さんに怒られちゃう・・・」
「それはお前もだろ!」
そう言って零は私の髪の毛をぐちゃぐちゃにした
「きゃっ!ひどーい・・・女の子は髪が命なのよ?」
「そう言えばお前も女だったな」
「むっ、ヒドイ!」
冗談を言い合う私達は―――まるで昔に戻ったようだった
(この感覚・・・好きだなー)
こんなに穏やかな空気を醸し出す2人が昨日、交わした契り
誰が想像できるだろうか・・・
その契りがなんとか無効になることを私は祈るばかりだった