青い薔薇〈第一章〉

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《パタン》


「うわぁ〜、びっくりした。僕が窓を開けたとたん優姫ちゃん蹴り飛ばして馬が大暴走―――なんて・・・」

「僕達ってそんなに動物が嫌う匂いがするのかなー?」


自分の腕をくんくん匂ってみるものの・・・
もちろんわからなかった
皐月さんや優姫ちゃんがいる方から枢に視線を移すと、デスクワークに勤しんでいるのかペンを動かす彼
(元老院への報告書かな?)


「せっかくの休日だというのに、いつも枢はゆっくりできないね」

「元老院がいちいち報告書をよこせとうるさいから・・・」

「漫画の読みすぎで昼夜逆転の僕とは大違いかー」


《シャー》


僕はカーテンを閉じた
一部始終・・・見てたよ?


「優姫ちゃん運動神経抜群!馬に振り落とされても綺麗に着地してた」

「そう・・・」


枢は報告書から目を逸らすことなく答えた
(興味なし?それなら・・・)


「皐月さんって・・・運動神経ないんだね」

「何が?」


案の定、枢は僕に視線を向けた


「錐生君と一緒に昼寝してたら馬が飛び込んできたみたいだよ」

「昼寝・・・」


(少しくらいは枢を振り回したくなる・・・)


「それで―――・・・」

「錐生君が助けたからケガはないよ。まるで王子様とお姫《バキっ》

「一条・・・?頼みごとを頼まれてくれるかい?」

「う、うん・・・」


僕は―――


「この机・・・古くなってたのかな?折れちゃったみたいだよ」


無残な机を見ながら皐月さん関連でからかうのはやめようと心底思った

 

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