青い薔薇〈第一章〉

□15
2ページ/14ページ

「あっ、忘れないうちに渡しておくよ・・・」


そう言って理事長さんが零に手渡したもの―――血液錠剤
優姫と私の箸が止まってしまった


「2人も戸惑うなよ。これからはこれが・・・普通になるんだから」

「そ、そうだよね。」


相槌を打つ優姫に対して私は何も言葉が出てこなかった
(ごめんね、零・・・)
いつか私が・・・
ヴァンパイアの呪縛から絶対に零を解き放つから
それまでもう少しだけ―――


「な〜に3人とも深刻な顔してるの?コレは吸血鬼にとってはご飯と一緒だよ、ご飯と!」


この場の雰囲気をなんとか盛り上げようとしてるのかもしれない
それでも―――
零の顔はすんごく怖かった
(また、怒らせてる・・・それを楽しんでる?)


「零!死んじゃう死んじゃう!」


理事長さんの首を絞める零を必死に止める優姫の横で私はマイペースにご飯を食べながら拓麻君に言われた言葉を思い出していた
(真夜中に月の寮―――)

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ