青い薔薇〈第一章〉
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(零・・・どうして?)
朝のHRが始まっても彼の席は空白のままだった
優姫なら、何か知ってる?
「ねぇ優姫・・・零はおやすみ?」
「昨日、来るって約束したのに」
心配顔で零の席を見つめる優姫
(私が先に行ってよかった)
きっと、彼女も私と同じことを考えていたはずだから―――
隣の席の優姫が勢いよく立ち上がったかと思うと
「皐月、行くよ!」
「えっ?えぇ??」
私の意見を聞くことなく右腕を掴んで優姫は勢いよく走りだした
(わ、私・・・ついていけるかな)
必死な私に気付いたのか優姫は少しスピードを落としてくれた
「私ね、皐月と同じことしようとしてたの・・・」
「・・・零に、聞いたの?」
「違うよ!でも、なんとなくそう思ったから・・・」
優姫は、咬まれちゃだめなの!
今、もし封印が解けてしまったら・・・零の生きる糧がなくなってしまうかもしれない
勝手だけど・・・人間でいて欲しい