青い薔薇〈第一章〉
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目の前で泣きじゃくる優姫を見て
「零!!本当に死んじゃうかと思ったんだから・・・」
「もう、逃げないから―――泣くなよ」
俺のために涙なんて流すな
胸が痛くなるのは皐月の涙だけでたくさんだ・・・
こうして優姫を抱き締めていても皐月のことを考えてしまう
俺には人を好きになる資格はない・・・ENDに向かう吸血鬼なのだから―――
《パタン》
部屋を出たことに気付いて優姫を抱き締めていた腕を解いて皐月を追った
何を・・・言うつもりだったのか?
自分でもわからないまま廊下に出れば師匠と皐月が話をしていた
「どうやら“あの女”が生きてるらしい・・・」
聞こえてきた言葉に思わず固唾をのみこんだ
“あの女”が―――生きてる?
その言葉を聞くだけで俺の咬まれた首筋が疼く・・・
「―――危ないことは絶対にするなよ?」
「・・・ハイ」
忠告を受けた皐月の返事に間が合ったことに少し不安を覚えた
皐月は、何かしようとしてるのじゃないか?と・・・