青い薔薇〈第一章〉

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理事長に用があって来てみたら
無防備に眠る姉さんと―――錐生君に遭遇した
錐生君はとても愛しそうに姉さんを見つめていて・・・
(僕は嫉妬に狂いそうだ)
少し動いた姉さんの白い首筋が露になって錐生君は吸血衝動を抑えているようだった
(ねぇ、僕は君なんかよりずっと昔から我慢してるんだよ?)
僕の視線に気付いたのか、振り返った彼は凄んできた


「・・・別に驚かなくても。理事長に用事だよ」


昔はよく無断で上がらせてもらっただろう?
僕が君の存在を黙認している理由を話せば顔を歪めていた


「皐月の盾は・・・いないんだな」


そう言い残して理事長室を後にした彼の背中を睨み付けた
皐月の盾は―――必要ないさ
今度こそ僕が盾になるから誰も必要ない―――
ソファーで眠る皐月の額に僕はそっと口付けた
そして彼女にコートをかけて、僕は理事長を探しに行った
(急ぎの用なんだ・・・)

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