青い薔薇〈第一章〉

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寮に戻る途中、感じたのは・・・
(だ、誰の血?)
もしかして、閑・・・さん?
私は彼女が使っているという教員用の旧宿舎に急いだ
途中、香ってきたのは・・・
(零の血だ!!!)
だめ―――
閑さんを殺しちゃだめなの!!
零のLEVEL E化を防ぐためには彼女が絶対に必要だから!



――――――
――――
――



(ここが・・・旧宿舎?)
月の寮ができるまで夜間部生も一時は仮の寮にしていたらしい
私は迷わず血の香りのする方向へ足を向けた
こんなときばかりは血の匂いがわかる人間でよかったなんて思う・・・
零は絶対に私なんて頼らないから何かが起きていても気付けない!


「皐月!!」


私は、
自分の名前を呼ぶ彼の登場に驚きを隠せなかった


「かな・・・め?」


彼の腕の中には眠っている優姫
記憶、消しちゃうんだね・・・
優姫はそんなこときっと望んでいないのに―――
それでも枢は・・・


「こんな時間に出歩いて・・・ここへ何をしに来たの?」

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