青い薔薇〈第一章〉

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身体が重たい・・・
(私―――倒れたんだっけ?)
瞳を開ければ最初に目に入ったのは心配そうに私を見つめる暁先輩


「皐月、大丈夫か?」

「あっ・・・はい・・・」


閉められたカーテンの隙間から零れる陽の光り
(今は人間の時間・・・?)
静まり返っているこの建物は、きっと―――


「・・・ここは月の寮、俺と英の部屋だ」


(やっぱり月の寮・・・)
閑さんが“何者”かに殺された
現場を見たわけじゃないから・・・誰だとはハッキリ言えない


「っっ!!・・・零と優姫は!?」


思わず暁先輩の腕を掴んで大きな声を出したものの起きてすぐ出した大声に目眩がして・・・暁先輩に倒れこんでしまった


「お、おい!」

「ご、ごめんなさい」


なにやってるんだろう・・・
また暁先輩に迷惑かけてる


「錐生と黒主はあの後ちゃんと帰ってたから、心配するな」


そう言って私の頭をなでる暁先輩の優しさが身にしみた
(私のことが心配でこんな時間まで起きてくれて・・・)

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