青い薔薇〈第一章〉

□21+
2ページ/19ページ

――――――
――――
――



「ふうん・・・お前がいると女子は寄り付きもしないな」


俺は夜間部の藍堂英に呼び出されていた
俺にも確かめたいことがある


「紅まり亜は“あの女”と、関係あるのか?」

「不躾なヤツだ・・・“純血の君”たる方を呼び捨てとは―――な」


吸血鬼の中では崇拝されるべき存在なのかもしれないが俺にとっては家族を奪った憎き吸血鬼でしかない・・・


「まぁいい―――“紅”は“緋桜”の遠い昔の遠い親戚・・・それくらいだ」


遠い昔の遠い親戚―――
人間で考えれば薄い繋がりに感じるが寿命は人間とは桁違いのアイツ等


「・・・4年間、あの女の消息がつかめないのは、姿が変わったからじゃないのか?」


そう、緋桜閑は―――
紅まり亜になってまた俺の前に現れたのじゃないか?


「そんなの知らないよ。純血種の能力をわかってるのは・・・純血種自身だけだからな」

「自身だけ?」

「それよりお前は何か感じてるのか?あのヒトとの血塗れた“絆”がある・・・お前は―――」


《ドクン》


この脈打つ心臓の音・・・
紅まり亜、いや―――緋桜閑に反応してるのか?

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ