青い薔薇〈第一章〉

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舞踏祭の日、俺は壁に寄りかかって考えていた
最近の英の行動を―――
“紅まり亜”に執着する英は・・・何を調べてるんだ?


「あの、架院先輩・・・玖蘭先輩は来てらっしゃらないんですか?」

「黒主・・・寮長ならテラスにいるはずだ」

「ありがとうございます」


去っていく彼女を見ていると・・・
横からの刺さるような視線にいたたまれなくなった


「瑠佳・・・俺は教えちゃまずかったのか?」

「―――別に・・・」


瑠佳は寮長が好きだから―――
でも寮長は黒主優姫や玖龍皐月が大切で・・・
(まぁ、こんなことは俺が考えても仕方のないこと)
そんなことを思っていると


「瑠佳さん!僕は今日のために必死で仕事を終わらせてきました」


瑠佳に話しかける普通科の男子生徒が目に入った
(物好きだな・・・)


「僕と一緒に、踊っていただけませんか?」


顔を真っ赤にする彼の肩を持ってやりたい気持ちになった俺は・・・
瑠佳に“ほら、親睦だ!頑張れ”耳打ちをした


「し、知らない男なんてイヤよ」


瑠佳のその言葉を聞いて男子生徒は寂しそうに去って行った
(今のは気の毒だな・・・)
俺は―――自然と皐月を捜していた
目に入ってきたのは、副寮長に抱えられる彼女
2人の踊る姿を見て、正直羨ましかった
一緒に踊りたい―――
そんな感情が恥ずかしくて・・・


「瑠佳・・・相手してやるよ」


瑠佳に声をかけた

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