青い薔薇〈第二章〉
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「到着したよ」
そう言って案内されたのは
私達が生まれた家・・・
「星煉、いるかい?優姫を少し休ませてあげて」
どこからか現れた星煉に連れられて優姫は部屋に案内された
私は―――
枢に抱き抱えられたままで・・・
「枢?」
「こうして・・・君の肉体を繋ぎ留めておくので今は精一杯だよ」
枢の言葉の意味を理解できないでいると
「隠さなくていい。君の心は彼と繋がったままだから」
悲しそうに言葉を続けた
彼?それは―――零のこと?
「ち、違・・・それは―――」
違うよ?
私は自分の意志でちゃんとここにいるのに・・・
「皐月・・・いいんだ。何も言わなくても」
私の想いをうまく言葉で伝えることができなくて・・・
再び俯いていると
「これだけ覚えておいて?僕は飢餓の吸血鬼だと言うことを・・・」
私達吸血鬼は―――
愛する人の血でしか飢えを満たすことができない
「枢・・・」
「なんて顔するの。それは吸血鬼を誘う瞳だよ」