青い薔薇〈第二章〉

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ねぇ、分かってる?
少しの時間しかなくても僕がこの屋敷に戻って来る理由
全部は姉さん、あなたのため・・・
ただ―――会いたいから

本当は隣に連れて歩きたいけれど
その願いはまだ適わないから・・・


「枢様、10分が限度です」

「・・・あぁ」


新体制を整えるために走り回っている僕達
ここ最近は藍堂の父親とあちこち翻弄していた
姉さん達の気配がする部屋の扉に手を掛けると
姉さんは部屋を出ようとしていたみたいで驚く彼女と視線がぶつかった
こんなに間近で見たのは・・・いつぶりだろう?
最近の姉さんは僕のことを見てくれないから―――
姉さんを離したくなくて


「少しだけここで待ってて・・・」


そうお願いしたのに
優姫達のそばに寄ると、姉さんの駆け出した足音と藍堂の父親の叫ぶ声
優姫と藍堂との会話が・・・頭に入ってこなかった
姉さんの気持ちがわからない・・・
どうして劣等感を感じるんだい?
“貴女は玖蘭一族らしくない”
アイツにそう言われたことをまだ覚えているの?
あの言葉は―――
彼の本心なんかじゃない
彼はただ・・・
姉さんが遠くに行かないためにつなぎ止めておきたかったに違いない

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