青い薔薇〈第二章〉
□Last
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私達3人がフロアに足を踏み入れると全ての視線がこちらに向いた
歩く先には道が開かれて
まるでそこにカーペットが敷かれているような感覚に陥る
早まる胸の鼓動・・・
ここにいるヴァンパイア達の刺さるような視線が―――怖くて
私は一歩も動くことができずただ俯くことしかできなかった
耳に届くのは階段を優雅に降りていく優姫の靴音
隣にはもちろんエスコートする枢
どこまでも私とは違う彼女に嫌な嫉妬を感じてしまう
私はここに来るべきじゃなかったのかもしれない・・・
階段を降りた優姫や枢が立ち止まるのを見てその視線の先に目を向けると
そこにはハンターである零の姿
それから、
「海―――斗・・・?」
思いがけない人の顔を見つけた
私の声は彼がいる場所まで届くわけないのに・・・
彼と視線がぶつかったかと思うと鋭い眼差しで睨み付けられた
思わず耐えきれなくなってフロアから逃げるように走り去った私
(ごめんなさい・・・)
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