青い薔薇〈第二章〉
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枢様が黒主優姫にこだわる理由
ようやく解けたんだ
“優姫は・・・悠と樹里が隠し通した愛娘”
妹君だったのですね―――
僕達は純血である枢様の命令があるからという理由だけで・・・従っているわけではない
枢様のお力になりたい
皐月を見つめる悲しそうな瞳をさせたくないから・・・
思わず言ってしまった
「枢様が必要としてるのは皐月、あなたです」
枢様の気持ちを少しでも・・・知ってほしかった
それなのに彼女は―――
“ごめんなさい”と言って走り去っていた
「暁―――今の一言は余計なだったか?」
「さぁな・・・」
余計なことかもしれないけれど、皐月に知ってほしかった
「枢様がどれだけ皐月を大切に想っているか・・・」
彼女は、
気付いてないんだ―――
「英・・・黒主優姫より皐月の護衛の方が大変だな、」
「そう―――だな・・・」
僕達は大きな溜め息をついた
それでも守りたいと思う―――
「俺は皐月の笑顔が好きだ・・・」
「僕も・・・だよ、」
暁の言葉に、自然と笑みがこぼれた
誰かを守りたい、誰かの力になりたいと思う気持ち―――
案外、いいものかもしれない・・・