青い薔薇〈第二章〉

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優姫が―――
吸血、鬼?

俺の頭は真っ白だった
・・・玖蘭枢と―――兄妹!?
それなら皐月、とも?



――――――
――――
――



何も考えることができずただ、ここにいるだけだった
この感覚は家族を一度に失ったあの日の虚無感に似ている・・・
俺のそばにはもう誰もいない・・・のか?
母さんも父さんも壱縷も―――
優姫も・・・
皐月も―――


「っっ、零!!!」


俺を呼ぶ声に驚いて顔をあげれば
なんて顔・・・してるんだ―――
こんな悲痛な皐月の顔なんて見たくないのに・・・
でもかける言葉は見つからなくて俯く俺に再び声をかけたのは、


「また悠長にひきこもりか?この馬鹿弟子が、」


舌打ちした師匠だった
“錐生君はいろいろあって・・・少し察してあげて?”
目の前で繰り広げられる会話もちゃんと頭に入ってこない
あぁ、そうだな・・・
目の前の出来事が全部夢であればいいのに―――
でも俺の中で揺るぎない気持ちが一つあってその想いは今も変わらない
でも皐月にとってその想いは・・・迷惑でしかないのかもしれない

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