青い薔薇〈第二章〉

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俺は意を決して口を開いた
気になっていたことを―――


「理事長・・・あんたは全部知ってたのか?」

「まぁ・・・」


頷く理事長に鋭い視線送るものの不思議と怒りはおさまっていた
俺は薄々、何かを感じ取っていたのかもしれない・・・
それにここまで俺を育ててくれたことは感謝してる


「師匠は、ここへ何をしに?」


師匠の回答は・・・
“錐生家の双子の片割れ、零を拘束せよ”
あまりいいものではなかった
(協会が俺を拘束だと?)
何も言わずその意図を考えていると―――


「そんなのって横暴です!」


皐月が口を挟んでいた
自分の妹・・・優姫がよくわからない状況にいる中、この場にいてくれる
思わず俺はこの手で彼女を抱き締めたくなった
その想いをひた隠しにして、


「皐月、いい・・・」


小さな声で呟いた
そんな俺の前で―――
“二人っきりにしてください”
そう言って彼女は理事長と師匠を放り出した

許された二人だけの時間・・・
俺は、どうすればいい?

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