青い薔薇〈第二章〉
□30+
2ページ/6ページ
俺は意を決して口を開いた
気になっていたことを―――
「理事長・・・あんたは全部知ってたのか?」
「まぁ・・・」
頷く理事長に鋭い視線送るものの不思議と怒りはおさまっていた
俺は薄々、何かを感じ取っていたのかもしれない・・・
それにここまで俺を育ててくれたことは感謝してる
「師匠は、ここへ何をしに?」
師匠の回答は・・・
“錐生家の双子の片割れ、零を拘束せよ”
あまりいいものではなかった
(協会が俺を拘束だと?)
何も言わずその意図を考えていると―――
「そんなのって横暴です!」
皐月が口を挟んでいた
自分の妹・・・優姫がよくわからない状況にいる中、この場にいてくれる
思わず俺はこの手で彼女を抱き締めたくなった
その想いをひた隠しにして、
「皐月、いい・・・」
小さな声で呟いた
そんな俺の前で―――
“二人っきりにしてください”
そう言って彼女は理事長と師匠を放り出した
許された二人だけの時間・・・
俺は、どうすればいい?