青い薔薇〈第二章〉
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零のことを想って涙を流す彼女を見て
―――俺は安心した
きっと皐月が零の支えになってくれる・・・
たとえ零が拒否したとしても、
きっと彼女は諦めず零と向き合ってくれるだろう
(よかった)
双子の弟が言うのはおかしいかもしれないけれど・・・
今は親が子どもに対してホッとするような気持ち―――
いつも三人でいたから零と皐月が離れてしまうみたいで少し淋しいけど
二人が幸せならそれでいい
俺の身体―――
零に戻すから・・・
それならいつも三人同じだろ?
――――――
――――
――
―
俺の目的はアイツだった
閑様を閉じ込め、協会のリストに介入した吸血鬼
皐月の平穏を守るためにも・・・
「李土様・・・ご復活を心よりお待ちしていました」
《ズンっ!!!》
「・・・一応、聞いておこうか、“何のつもりだ?”」
俺が一人で必死になっても、できることは限られている
そんなことわかってる・・・
それでも―――
「貴方に狂わされた者達の代わりに一矢、報いたかった」
「・・・ここを去れ、弱き者に用は無い!」
《ザンっ!!!》