青い薔薇〈第二章〉

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優しい彼女が―――
これから李土様の元に向かうことはわかりきっていて
それを止めれるのは・・・

枢なのか、
それとも錐生君なのか―――
僕にはわからない

・・・無責任かな?
僕は君が助かるなら誰が助けてもいいと思ってるよ
本当は僕が助けたいけれど・・・
純血種の李土様に所詮、僕が敵うわけない
無意識に操られてしまうから・・・
でも錐生君は元人間の吸血鬼だ
そう考えると、


「これって、いい・・・訳?」


そんなことを考えてしまう
とにかく今は僕がやるべきことを全うするよ
皐月さんは見守るから・・・



――――――
――――
――



《ドフッ》


《ドロ・・・》


「一条さん、何やってるの?」

「あっ、支葵・・・目が覚めた?ちょっと変な吸血鬼がわいて出てきたから掃除してたんだ」


君の寝込みを襲おうとしてたからね・・・


「そう・・・、一条さんは行くべきところがあるんじゃないの?」


目覚めた支葵からはもう李土様の気配はしない・・・
枢が自らの血を注いで彼を復活させたから―――


「もう、俺は大丈夫だから・・・」


そう言った支葵の頭をポンッと撫でて、


「わかったよ、」


僕は部屋を後にした
自らの手で一条家に幕を下ろすために―――

 

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