青い薔薇〈第二章〉

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もうすぐ夜が明ける―――


「星煉、昼でも動けそうな子に陽の寮の番をさせてくれるかな?」


普通科の子を外に一歩も出さないために・・・
これから、何が怒ってもおかしくない状況になるからね・・・


「かしこまりました、我が主」


一礼して去って行った星煉と入れ替わりに顔を見せたのは、


「瑠佳・・・」

「・・・風邪が運んできた血の気配と香りでおおよそ察しました」


申し訳なさそうな顔をする彼女に僕はとても酷な言葉を紡ぐ―――


「君を、信頼している」


純血種が貴族にかける言葉は、どれも呪縛になるというのに・・・
それでも瑠佳は


「・・・ありがとうございます」


僕にこんな言葉をくれる・・・
“純血種”としてではなく一人の“友人”として―――
そう思っていいかな?
すれ違いざまに見た瑠佳の顔に僕は少しだけ口角をあげた
(瑠佳、ありがとう・・・)



――――――
――――
――



昔から自分より他人を優先する彼女だったから
今だって自分が犠牲になってでも周りを助けようとしているのだよね?
そんなことは絶対にさせない!
もう姉さんを・・・
皐月を、
僕は失いたくないから

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