青い薔薇〈第二章〉
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広い広い庭で・・・
膝を抱えて泣いている女の子と
隣で優しい顔をして頭を撫でてくれている男の人
(あの泣いてる子は・・・私?)
「また、泣いているのか?」
「悪い人なんかじゃないのに・・・誰もわかってくれない!!」
男の人は泣きじゃくる女の子を膝に座らせて・・・少しだけ笑っていた
とても優しい顔をして―――
「僕は皐月がここにいるだけでいいから。だからもう泣くな・・・」
「・・・本当、に?」
目に涙をためて顔をあげた女の子の頭を優しく撫でて微笑むのは・・・
「僕は皐月が少し思い出してくれるだけで・・・嬉しいよ、」
「・・・うん!でもいつかみんなでお話できるかな?」
女の子は目をキラキラさせて幸せな未来を夢見て―――
「どうだろう・・・ね」
「大丈夫だよ!私がお手伝いするから、ねっ李土伯父様!!」
彼に満面の笑みを見せていた
(これは私の―――記憶・・・?)
この優しそうな人が李土伯父様
どうして今まで忘れてたの?
李土伯父様もとても優しい人だっていうことを・・・
違う。忘れてたわけじゃない
それなら―――誰が私の記憶を?