年下の男の子
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合宿の日から数ヶ月
同じ学校でも高校と大学院だと校舎も違えば偶然に会うことなんて全くなくて
忙しい日々の中たまにするメールや電話、それだけで私は幸せを感じるには十分だった・・・
「***さん、頼んだよ」
「はい。いってきます」
教授に頼まれた資料を抱えて鼻歌まじりに研究室を後にした。
もしかしたら嬉しい偶然・・・?
――――――
――――
――
―
「ここが高等部の校舎・・・」
思わず唾を呑み込んで校舎に足を踏み入れた。
確か科学室の位置は・・・
教授に書いてもらった簡単な見取図を広げて現在地を確認しながら歩き始めたとき
「・・・***!??」
「えっ―――」
少し期待はしていたもののまさか本当に遭遇するとは思ってなくて
私を呼ぶ彼の方向へ駆け出した。