年下の男の子
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「どうしてここに?」
「教授のお使いだよ」
「科学室?案内するよ」
“ありがとう”素直にそう言って案内してもらえばよかったのかもしれない
でも―――
「あの人誰?彼女?」
「まさか!オバサンじゃん」
「幸村君ってお姉さんいたの?」
「・・・大学生かな?」
彼女達の声が私の耳に届いて・・・精市の彼女です!なんていう自信はなかった。
(やっぱり高校生から見たらオバサンだよね・・・)
私は大丈夫だから―――そう言おうとしたのに
「***、遠慮はいらないよ。彼氏なんだから」
「えっ・・・」
私の手を引いて足を進める精市
今のはきっとあの子達に聞こえるように言ったんだよね?
明らかにショックを受けてる子ばっかりだよ・・・
ショックを受ける女の子達を瞳の端で捉えながら精市に手を引かれるままに足を進めていた。