年下の男の子
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直人先輩は中学、高校とテニスの名門・立海大附属のテニス部部長
―――だったそうです。
私は大学からの外部生でよく知らないけれど中学から内部進学の友達には話をよく聞かされる。
ファンクラブまで存在するくらいの人気ぶりで・・・
とても優秀なプレイヤーだったと
残念なケガで選手は諦めざるをえなかったみたいだけれど―――
それでもたまにコーチとして後輩達の指導をしているらしい
きっと後輩にも慕われているのだと思う
研究室のメンバーだって・・・
「今日は・・・帰ろうかな?」
レポートが出来上がる気配もしない私は帰る準備を始めた。
そしてもう一度だけ直人先輩に電話をしてみるものの
やっぱり聞こえてくるのは機械の不在を知らせる声だけで・・・
「仕方ないか、」
私はパソコンの電源をおとした。