年下の男の子
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氷帝のバスが到着した。
先頭には現部長の跡部くん―――
慎吾先輩とはまた違ったキレイな顔立ちで・・・
私を見て少し驚いた顔をしたのがわかった。
(私、ちゃんと笑顔かな?)
そして最後に降りてきたのは・・・
“不二義貴”だった
以前と変わりない穏やかな優しい笑顔を私に向けてくれて・・・
「***、久しぶりだね」
なんて言われて涙が出てこないわけがない―――
私が自分勝手なせいで・・・
私がヒドイことをして・・・
私が彼のことを傷つけて―――
それなのに目の前の義貴は優しく笑って私の頭を撫でてくれた。
泣いてる私がみんなに見えないように抱き締めてくれていた。
「***〜会いたかったよ」
なんて、ふざけて抱き締めてるフリをしながら・・・
私にはもったいなすぎるくらいの恋人だったよね
「おい、久々の再会バグはそろそろいいかな〜?」
という直人先輩の声で現実の世界に戻された。
合宿に参加して―――
よかったのかもしれない・・・