年下の男の子
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ホントに戻ってきた―――
そんな彼に向ける表情は自然と笑顔になってしまう
そして無意識のうちに私から手を重ねていた・・・
そのことに気付いた私が急いで離そうとしたら
今度は精市君に握り返された。
素直に―――嬉しかった
精市君がびしょ濡れになりながら私を探しにきてくれたこと・・・
きつく抱き締めてくれたこと
手を握り返してくれたこと・・・
なんとなく理由はわかってるよ。
(でも・・・ごめんね)
あなたの気持ちに答えるつもりはないから―――
跡部家の迎えが来るまでたわいのないことを話し続けて笑ってた。
じゃないと泣きそうで・・・