年下の男の子
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私は急いでマネージャー業務をこなしていた。
昨日の穴をしっかりと埋める気持ちで・・・
ドリンク作りに夢中な私は来訪者が来たことに気付かなかった。
「よし、あとはタオル!」
そう言ったときにふわっと後ろから抱き締められて・・・
犯人はわかっている―――
「精市・・・君?」
「フフ・・・パワー充電」
精市君ってば可愛すぎる・・・
でも確か・・・
「ねぇ、昨日もパワー充電してなかったっけ?」
なんて口を叩きながらも・・・私も嬉しかったりして
(でも本人には言わないけど)
「あれは昨日の分、これは今日の分・・・何か?」
「えっと・・・」
私はこの先きっと精市君に勝てそうにない―――
「試合相手は誰なの?」
「跡部だよ」
「がんばってね!」
思わずスコアつけより試合が見たいなぁと思ってしまった。
「ほら、人が来ちゃうよ」
そう言って精市君を追い返すと
―――唇を奪われた・・・
「彼氏の特権だよね」
私はきっとゆでだこだと思う・・・
精市君は満足そうにテニスコートに向かって歩き始めた。