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□if・・・会社員編
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一般職入社の私が上司の打診で総合職へ転換
死に物狂いでここまでやってきた
同期入社の女性社員は寿退社で気付けば同期は男性ばかり
周囲からバリキャリなんていう分類にくくられて本来の私と違った人物像が独り歩きを始めた頃、とても辛かった―――
覚えのない噂に何度も胸を痛めた
それでも頑張ってこれたのは理解してくれる上司や同僚に恵まれたから


「だから、俺の恋人になってくれ」

「あの、私・・・?」

「悪い。言葉が足りなかった。恋人のフリをしてほしい」

「恋人の・・・フリ?」


直属の上司である土方部長に呼び出されて今、必死になっているプレゼンのことかと思えば予想もしない言葉に私はだいぶとおかしな表情を浮かべていたと思う


「あぁ、沖田や斉藤から聞いてる。***は告白されるのが嫌だと」

「えっと・・・まぁ・・・」

「俺も見合いを断り続けてるんだが今度ばかりはそうもいかねぇ・・・そこでだ、恋人になればお互いそういったものが排除できて仕事に打ち込めるんじゃねぇか?」

「確か・・・に」


独り歩きした人物像の私に告白してくる人達
そんな人、別人だよ・・・
そんなこと言えるわけなく“ごめんなさい”とただ断り続けていた
“本物”はいらないけれど仕事の環境を整える“偽物”が欲しい―――
利害が一致したたった今、私達は社内限定の“恋人”になった


「商談成立・・・だな」

「・・・はい」

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