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□if・・・会社員編
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「なぁトシ、これ見てくれ」

「近藤さん・・・また見合い写真か」

「経歴も家柄も申し分ないぞ」


いくら尊敬する近藤さんの頼みでもこればかりはきけねぇ・・・
(だいたい利害関連がある中での婚姻なんざ壊れた時に手間がかかる)
聞き流しておけば大丈夫だと考えていた見合い話
以前は2、3ヶ月に1度あるかないかの話だったはずがここ数ヶ月、毎週のように言われれば聞き流せなくもなってくる


「・・・悪いが、俺には恋人がいる」

「ま、誠か!?なぜ、黙っておった!!」

「いや、一応・・・部下、だからな。周りへの影響を考えてだ・・・」


俺の適当な言葉を聞いて恵比須顔を浮かべる近藤さんに若干、胸が痛むものの見合い話はなくなるのだと安堵のため息をついた
今、進行している大きなプロジェクトの報告を始めれば目の色に鋭さが戻り見合い話は綺麗に放り投げられた


「・・・というわけだ」

「そうか・・・」

「来月のプレゼンに間に合うよう全員が全力で動いてる」

「期待してる」

「おう、それじゃぁ・・・」


そういって社長室の扉を開けようとした俺に近藤さんは“あっ、そうだ・・・ちょうどいい”そんな言葉を吐いた
胸騒ぎを感じながらも近藤さんに視線を向ければ彼は笑顔で


「今日は・・・久々に飲みに行くぞ。もちろんトシの彼女も連れてだ」

「えっ・・・」

「プロジェクトが終わるまで待てそうにない」

「あっ・・・」

「19時にいつもの店、予約する」


俺の返事を聞くことなく胸ポケットの携帯を取り出して電話をいれた
(あいつ・・・うまくやってくれるのかよ)

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