本当のキモチ
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「景ちゃん、まって〜」
「おい!***!そんなに走ると転ぶだろ?」
俺様の幼なじみは・・・
のろま
鈍臭い
泣き虫
当てはまる形容詞を思い浮かべばロクな奴じゃない
そんな奴をどうしても・・・放っておくことができねぇ
「***ねー、大きくなったらけいちゃんとけっこんすりゅ!」
「仕方ねーな・・・おれさまが***を守ってやる!」
あの日、幼い俺達が結んだ小さな約束
おまえは覚えているか?
俺様は一度も忘れたことなんてねーよ
忘れてねーけど・・・
***がそばにいねーと約束なんて守りたくても
―――守れねーんだな
言葉で***を傷つけたあの日
『***とばっか遊んで、跡部は女じゃねーか?』
『う、うるせーー!!***が勝手に俺様についてくるんだ!!本当は鬱陶しいんだよ!!』
クラスメイト達にからかわれてしまった俺は・・・
気付けばそう叫んでいた
恥ずかしさから***のことを突き放した
『景・・・ちゃん?』
今でもあの日の悲しそうな表情は忘れることができない
なぁ・・・
今、おまえはどこにいる?
約束は覚えてなくてもいい―――
だから、元気な笑顔を見せてくれ