本当のキモチ

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「・・・夢・・か・・・」


時計を見れば5時を少し過ぎたところ
窓の外はまだ薄暗かった
今日は始業式で所属するテニス部は朝練がない
(まだ寝れる時間だな)
夢の笑顔が思い出したくてもう一度、瞳を閉じた


******と俺の母親同士が仲良くて
家も近いことから生まれた時からよく遊んでいた

***はとても笑顔の似合う少女だった
子ども心に彼女を守るんだ!なんて息巻いていた記憶がある

実際、よくガキ大将にちょっかいをかけられていた
その度、***のことを助けてやっていた

初等科1年のとき・・・
***を傷つけた俺は素直に謝ることができず、そのまま溝が埋まることなく・・・

俺様が初等科3年になった頃、***は俺達の前から姿を消した

親の海外転勤に***もついていった
・・・そう聞かされていた。


でも実際には―――
両親を悲しい交通事故で一度に亡くした***は親戚の家に預けられたそうだ
そのことを知ったのは中等部入学式の朝だった
“***はまだ海外か?”そう聞いた俺に母親は悲しそうな顔を浮かべて話してくれた

初等科3年の春・・・悲しい交通事故で***以外は助からなかったこと

しばらく入院していたこと

***の父方の祖父母が彼女を引き取ったこと

それから***は葬式で泣かなかったこと・・・


あんなに泣き虫だった***
両親が死んで泣かずにいられるなんて・・・
今はちゃんと笑えてるのか?

次に会うときは・・・昔の笑顔を見られるのか?

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