本当のキモチ
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僕は***だけを待っていたはずなのに・・・
なぜかムッツリ眼鏡も***の後ろから顔を出していた
どうやら彼女のクラスメイトで席も前後らしい・・・
はぁ、***は周りも驚くほど鈍感だからね
僕は彼に“夫婦宣言”に突き付けて帰ってきた
ムッツリ眼鏡くんが信じるとはまぁ思えないけど・・・
でもいつか―――
そうなる日がやってくればいい
「英二が***によろしくって言ってたよ」
「英二が?嬉しいな、気にしてくれてるなんて・・・」
気にしてるのは別に英二だけじゃないよ
手塚や大石をはじめ事情を知るレギュラー陣はみんな***を心配してる・・・
そんな中でもダントツ僕が一番だろう
「周助・・・あのね、本当に本当にありがとう」
「***?」
「私1人だったらきっと胸にしまって・・・自分から動かなかったと思う」
僕に・・・
懸命に“ありがとう”を伝える彼女に愛しさはさらに増す
「パパやママを説得するときだって周助がいたから・・・」
「そうかな?」
「それに今日だってわざわざ私のためにライバル校まで・・・」
僕は***を抱き締めた
力を込めれば今にも壊れてしまいそうな彼女
「どんな事実でも一緒に受け止める。***は1人で悩まないで・・・」
「しゅ、う・・・すけ、」
泣き出してしまった彼女をさらに強く抱き締めた
君のこの泣き顔さえも僕は愛しい・・・
「なにかあったらすぐ僕の胸に飛び込んでおいで」
「うん・・・うん」
僕が守るから―――