本当のキモチ
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電車に揺られて氷帝へ・・・
僕は静かに目を瞑っていた
そして・・・小学校の林間でのことを思い出していた
――――――
――――
――
―
「ねぇ周助、キャンプファイヤー楽しみだね!」
そう言って楽しみにしていたのに
《ゴォォォォ!!》
実際に炎がついて、薪が燃えていくと・・・
君は真っ青な顔をして
震えだしたんだ―――
記憶がなくなる前のことを思い出しかけている!?
でもとても辛そうで・・・
「***!!」
僕は力一杯、抱き締めた
でも・・・君が呼ぶ名は
「・・・助けて!ケーちゃん」
違う人―――
医務室に連れて行った僕は***が目覚めるまでずっと手を握っていた
夢で呼ぶ名前は
「・・周・・助・・・」
僕の―――名前だった
“ケーちゃん”ではなく僕の名前を呼ぶ***
(僕はここにいる!!)
眠る彼女の手をさらにきつく握った
そして僕はそのまま眠ってしまった・・・
身体を揺らされて―――
「助!・・周助!!」
「・・・!!もう体は大丈夫?」
「うん、周助のおかげで」
笑う君を僕はまた抱き締めた
不思議そうな表情を浮かべる彼女に投げた疑問
「***・・・“ケーちゃん”って知ってる?」
「?隣のクラスの?・・・もしかして迷惑かけちゃった?」
あれ?
さっきの“ケーちゃん”は・・・無意識だった?
記憶をなくす前の―――友人?
「・・・心配してたみたい」
僕は嘘をついた
謝りに行かなきゃ!と言う***を僕が伝えるからと引き止めた
「***はゆっくり休んでて」
さっきみたいに辛そうな顔するくらいなら・・・
過去の記憶なんて無理に思い出さなくていい
僕達がいるじゃないか―――
「***が寝るまでここにいるから安心して」
「うん、ありがとう・・・」
“ケーちゃん”
このときは誰のことなのか想像もつかなかった
でも今は・・・
“跡部景吾”キミのことじゃないのかと思うんだ