本当のキモチ
□4
3ページ/8ページ
氷帝の最寄駅に着くと
スーツを着た男の人に声をかけられた
「不二周助様ですね。お待ちしておりました」
そして僕はリムジンに乗り込んだ
僕には似合わない車・・・
跡部は僕にでもわかるくらいのお金持ちだもんね
跡部・・・
君は***の知ってる“ケーちゃん”なのか?
そんなことを考えながら窓から見える景色をぼんやり眺めていた
僕は・・・
***に過去の記憶を思い出してほしくない
炎を見て辛そうな顔は二度と見たくないから
僕達がいるじゃないか―――
だから***の過去の記憶なんていらない!!
そう思っていた・・・
でも本当は、***が思い出して・・・離れてしまうのが怖いんだ
氷帝の正門に着くと仁王立ちした跡部が待っていた
授業中じゃないのか?
(まぁ僕も同じなんだけどね)
「今、***は保健室で寝てる」
「そう・・・部外者の僕は様子を見れないね」
「目覚めたら連絡が来るから保健室はそのとき一緒に行くぞ」
もしかして・・・
気を遣ってくれたのかな?
「フフ・・・ありがとう」
「何、笑ってやがる!部室までついてこい!!」
僕は跡部に案内されてテニス部のレギュラー部室にやってきた
さすがお金持ち学校・・・
部室にいかにも!高そうなソファーを見つけた
平然と座る跡部―――さすがだね